招待講演
伊藤 一也 先生(大阪産業大学)
題目 「私がミニ四駆AI研究とSOFTにたどり着くまで」
日々、技術の進化や競争が活発な今日において、社会問題の解決や技術的難課題の解決に資する研究テーマに巡り合い、成果を示すことは困難である。自動車メーカーでの商品開発に携わった経験や、高等教育機関の教員として研究室運営をする中で感じたこと、人間工学やリスク工学の研究からミニ四駆AIの研究とSOFTのミニ四駆AI大会の運営にたどり着いた経験を基に、特に学生の皆さんへ送りたい研究活動とキャリアプランに関する学びを紹介する。
乾口 雅弘 先生(日本知能情報ファジィ学会会長、大阪大学)
題目 「代替案順序付けにおける決定者の躊躇いを視る~開発中の区間AHPの紹介~」
いくつかの評価基準の下での複数の代替案の評価値が与えられた場合の代替案順序付け問題を考える.階層分析法(AHP)では,決定者が与えた一対比較行列(PCM)から重要度を求め,総合評価値で順序付けることになるが,PCMは整合していないことが多い.この不整合性を決定者の評価の曖昧さと考え,同じPCMから区間重要度を推定してこの問題を扱うアプローチを紹介する.この推定問題の解が唯一でないことを説明し,数値実験により通常のAHPに対する提案している区間重要度推定法の優位性を示す.次に,推定された区間重要度を用いることにより可能となる一解析手法を紹介する.すなわち,決定者がどのように躊躇っているかがある程度解析できることを示す.
古橋 武 先生(名古屋大学 名誉教授)
題目 「AIパートナード学習:生成AIによる自律分散・自己調整学習モデル」
AIパートナード学習とは、生成AIを“学びのパートナー”と位置づけ、自律分散・自己調整学習を実現する新しい学習モデルです。本モデルでは,学期初頭に講師が学習目標・項目および試験方針を宣言し、受講生は生成AIとの対話を通じて自律的に学習を進めます。AIは無制限の質問環境と理解度診断付き演習を動的に生成し、学習ログで進捗を可視化します。講師はファシリテータ/メンターとして介入タイミングを最適化し、学習者中心の協調的知識共同体を形成します。各国の実践例、学習分析データ、倫理的配慮を踏まえて効果と課題を検証し、生成AI時代の工学教育設計指針を議論します。
本講演はリモートでご講演いただきます。