招待講演

内野 英治 先生 (山口大学,(財)ファジィシステム研究所)

題目:知能情報処理と医療診断支援

概要:本講演では,知能情報処理を駆使した血管系疾患の早期発見システム2件について紹介します.(1) 心臓の筋肉に酸素や栄養を送る冠動脈が閉塞し,心臓が停止することを心筋梗塞と言います.心筋梗塞は冠動脈内にプラークと呼ばれる異常組織が堆積し血管の動脈硬化が起こり,このプラークが破綻することにより引き起こされます.プラークの組織構造を知ることは,プラークの破綻を予測する上で非常に重要であり,ここでは知能情報処理を駆使してプラークの状態を解析します.(2) 網膜は,「人体の中で唯一,外部から直接生体内を伺うことのできる窓」と言われています.眼底カメラから得られる情報により,眼疾患だけでなく網膜血管の状態がわかり,さらには網膜血管の状態から脳内血管の状態(動脈硬化)までも予測することができます.ここにも,知能情報処理を導入し,眼底画像の解析を行います.


白土 浩 先生(近畿大学)

題目:ブラインド信号分離(BSS)における独立成分分析(ICA)の適用について

概要:カクテルパーティ効果等に代表されるブラインド信号分離(BSS)問題を独立成分分析(ICA)により,元の信号を分離・抽出する方法について概説します.まず,BSS 問題の例を紹介し,信号分離の概念について説明します.その後,ICA の基本的なアルゴリズムを紹介し,ICAが抱える問題の一つである成分置換・スケールの不定性を解消するための手法を紹介します.最後に OFDM 通信における伝送路歪み補償を目的とした我々の研究成果について紹介します.


三好 哲也 先生 (豊橋創造大学)

題目:エージェントモデルによる社会シミュレーション

概要:安心・安全な社会システム構築は,重要な課題である.特に,東日本大震災後,防災,減災に対する認識は高まっており,の対策は急務である.これらの課題に対して情報科学からのアプローチとして,シミュレーションによる状況の予測と対策構築が研究されている.本講演では,社会シミュレーションの位置づけを説明し,その後,災害時の避難シミュレーションの実例を紹介する.